真顔系アトラクション

「子供の笑顔を返して」

ヘリオス

姫路セントラルパーク(通称:姫セン)の遊園地が、ディアブロ、ヴィーナスGPといった「絶叫系アトラクション」を保有していることはあまりに有名だが、実はその上をいく「真顔系アトラクション」が存在することはあまり知られていない。その認知度が低いのには理由があり、その内容とはウラハラな「ほのぼのファンタジー系」の顔つきをしてみせているから、なのだ。 「なんだか楽しそう」と笑顔で吸い込まれていったお客さんが、一様に額に嫌な汗を光らせフラフラな足取りで降りてくるというその異様さから、姫センの従業員たちはこのアトラクションを「食虫植物」と称していると言うのだから、よほどであろう。実際に、その「食虫植物」に我が子を捕らわれたお父さんお母さんに、話を伺うことができた。

ヒメシュンホーです。お子さん、すっかり、真顔ですね。

「さっきまであんなに楽しそうだったのに…
うちのコの笑顔、返してください!」

パステルカラーのメルヘンチックな佇まいとはあまりにそぐわない、

「高速回転!写真も、全然撮れませんでしたよ!
どこにうちのコ座ってたのか!」

計31回。回ったそうです。

「31回!頑張ったな…ごめんな…偉かったな…」
そういって、いまだ表情が戻らない娘を強く抱きしめるお父さん。

ヘリオス。「は行」から始まるその締まりのないネーミングも、腹立たしい。ただ、記者もそうなのだが、数回乗ると、クセになってくる。いよいよ、厄介なアトラクション、なのだ。

ヒメシュンホー TOPに戻る
ページの先頭へ!